自然災害の知識と対策ガイド 家族を守ろう

日本は自然災害が多い国です。地震や台風、火山噴火や津波など、過去さまざまな災害が発生しています。自然災害は予測が難しく、突然起こることもあります。自然災害に遭ったときに、家族の命や財産を守るためには、事前に知識と備えをしておくことが大切です。
この記事では、日本でよく発生する自然災害である地震と台風について、その仕組みや被害の例を紹介します。また、地震や台風に備える方法や、役に立つ防災グッズも紹介します。

この記事でわかること

 ・地震の仕組みと被害の例
 ・地震に備える方法
 ・台風の仕組みと被害の例
 ・台風に備える方法
 ・防災グッズの重要性と準備
 ・準備すべき10の防災グッズ
 ・家族で防災会議を開こう

地震の仕組みと被害の例

地震とは、地球の内部で起こるエネルギーが地表に伝わり、地面が揺れる現象です。地球の内部では、岩盤がずれたり割れたりすることでエネルギーが発生します。この岩盤のずれや割れを断層と呼びます。断層が動くことで生じるエネルギーは地震波として伝わります。地震波は地表に達すると、地面を揺らします。
地震は日本全国で起こる可能性がありますが、特に太平洋側や南西諸島では大きな地震が多く発生しています。これは、日本列島の周りにあるプレート(岩盤)が動いているからです。プレートは互いにぶつかったり離れたりしながら動いていますが、その動きによって断層が生じたり動いたりします。その結果、大きなエネルギーが発生して地震が起きます。
地震によって起こる被害はさまざまです。例えば、以下のような被害があります。

 ・建物や橋などの構造物の倒壊や損壊
 ・家具や食器などの落下や破損
 ・火災やガス漏れなどの二次災害
 ・地盤の液状化や崩壊
 ・津波や地滑りなどの連鎖的な災害

これらの被害は人の命や財産に大きな影響を与えます。また、地震によって交通や通信などのライフラインが寸断されると、日常生活にも支障が出ます。

地震に備える方法

地震に備える方法は大きく分けて、日常的な備えと緊急時の対応です。
日常的な備えとしては、以下のようなことが挙げられます。

 ・家具や家電などの転倒・落下防止対策をする
 ・飲料水や非常食などの備蓄品を用意する
 ・非常用持ち出しバッグを準備する
 ・家族で安否確認の方法や避難場所・避難経路を決めておく
 ・地域の防災マップやハザードマップを確認する
 ・家屋の耐震診断や補強を行う
 ・防災知識や防災行動力を身につけるために訓練に参加する

緊急時の対応としては、以下のようなことが挙げられます。

 ・揺れが収まるまで身を守るために机やベッドなどの下に隠れる
 ・火の元を確認して消火・消灯・ガス栓を閉める
 ・ラジオやスマートフォンなどで情報を収集する
 ・安全が確認できたら非常用持ち出しバッグを持って避難する
 ・津波警報が発令されたら高台や避難ビルなどに避難する
 ・家族や近隣と連絡を取り合って助け合う

これらの方法は、地震による被害を軽減したり、生存率を高めたりする効果があります。日頃から意識して実践しておきましょう。

台風の仕組みと被害の例

台風とは、熱帯海域で発生する低気圧のことです。台風は暖かく湿った空気が上昇して雲を作り、その周りに風が吹き込むことで発生します。台風は反時計回りに回転しながら進みます。台風は中心部(目)が静かで周辺部(目の壁)が強風と豪雨になっています。
台風は日本では夏から秋にかけて多く発生します。台風は発生した場所や時期によって番号や名前が付けられます。例えば、2023年に発生した台風は以下のようなものがあります。

台風1号(ミリアム):7月1日に発生し、沖縄県や九州地方に接近した
台風2号(ネオグリ):7月4日に発生し、沖縄県や九州地方に上陸した

台風によって起こる被害はさまざまです。例えば、以下のような被害があります。

 ・強風や豪雨による建物や橋などの構造物の倒壊や損壊
 ・洪水や浸水、土砂崩れや河川の氾濫などの水害
 ・高波や暴潮による海岸の浸食や堤防の決壊などの海洋災害
 ・電柱や看板などの飛散物による人や車の被害
 ・停電や断水などのライフラインの停止

これらの被害は人の命や財産に大きな影響を与えます。また、台風によって交通や通信などのライフラインが寸断されると、日常生活にも支障が出ます。

台風に備える方法

台風による主な被害は、大雨による河川氾濫や内水氾濫、高潮による堤防の損壊・決壊、強風による転落や飛来物、住宅の浸水・倒壊、冠水、土砂災害など多岐にわたります。台風の規模や進路、速度、上陸地点などによって被害の程度は異なりますが、いずれも命に関わる危険性があります。台風による被害を防ぐためには、事前に備えることが重要です。

台風に備える方法は大きく分けて、日常的な備えと緊急時の対応です。
日常的な備えとしては、以下のようなことが挙げられます。

 ・屋根や窓などの点検や補修をする
 ・風で飛ばされそうなものを屋内や固定する
 ・雨水が溜まらないように排水溝を掃除する
 ・防災グッズや備蓄品を用意する
 ・非常用持ち出しバッグを準備する
 ・家族で安否確認の方法や避難場所・避難経路を決めておく
 ・地域の防災マップやハザードマップを確認する
 ・台風の進路や強さをチェックする

緊急時の対応としては、以下のようなことが挙げられます。

 ・強風域に入る前に窓やドアをしっかり閉める
 ・ラジオやスマートフォンなどで情報を収集する
 ・安全が確認できたら非常用持ち出しバッグを持って避難する
 ・河川や海岸から離れて高台や避難ビルなどに避難する
 ・家族や近隣と連絡を取り合って助け合う

これらの方法は、台風による被害を軽減したり、生存率を高めたりする効果があります。日頃から意識して実践しておきましょう。

防災グッズの重要性と準備

防災グッズの準備はできている?

防災グッズとは、自然災害が起きたときに役に立つもののことです。防災グッズは、自分や家族の命を守るためや、救助を待つ間の生活を支えるために必要です。災害はいつ起こるかわからないことから、自宅や職場、学校などにも防災グッズを常備しておくと安心です。しかし、実際の準備はなかなか進んでいないようです。

災害が発生し、避難が必要になった際に、避難用の持ち出しバッグなどといった、すぐに持ち出せる避難グッズを用意しているかを聞いたところ、十分に用意していると回答した方は5.1%、ある程度用意していると回答した方が33.2%と、合わせて38.3%の方が用意していると回答しました。一方で、ほとんど用意していないと回答した方は28.0%で、全く用意していないと回答した33.6%と合わせると、実に61.1%と半数以上の家庭で避難用の防災グッズが備蓄できていない実態が明らかになりました。

2020年08月12日~2020年08月17日
子どもと同居している20歳から49歳までの全国の女性800名に調査

出典:ミドリ安全.com

まず準備すべき防災グッズ

防災グッズといっても何から用意すれば・・・と悩んでしまう方も多いでしょう。
まず準備したいものとして、こんなものがあります。

携帯ラジオ:停電や通信障害が起きたときに、外部からの情報を受け取ることができます。
懐中電灯:暗闇での移動や探索に役に立ちます。
ヘルメットや防災ずきん:落下物や飛散物から頭部を守ります。ヘルメットは頑丈ですがかさばります。防災ずきんはコンパクトですが強度に欠けます。
救急セット:怪我や病気の応急処置に必要です。絆創膏やガーゼ、包帯、消毒液などがあります。
非常食:救助を待つ間の食料です。保存期間が長く栄養価が高いものが望ましいです。缶詰やレトルト食品、ビスケットやチョコレートなどがあります。
飲料水:救助を待つ間の水分補給として必要です。保存期間が長く衛生的なものが望ましいです。ペットボトルが一般的です。
ホイッスルやサイレン:救助者に自分の位置を知らせるためのものです。ホイッスルは音で、サイレンは光で知らせます。

これらの防災グッズは、自然災害に遭ったときに生き残るために必要なものです。しかし、これらのものだけでは十分ではありません。防災グッズを使うときには、自分の判断力や行動力も必要です。また、防災グッズを準備しておくだけではなく、定期的に点検や交換を行うことも忘れないようにしましょう。

家族で防災会議を開こう

自然災害が起きたときに、家族の安否や連絡方法、避難場所などを決めておくことは非常に重要です。自然災害は突然起こることもありますし、家族がバラバラになってしまうこともあります。そのときに、家族の状況や行動を把握できると、不安やパニックを防ぐことができます。
家族で防災会議を開き、以下のことを決めておきましょう。

安否確認の方法:自然災害が起きたときに、家族の無事を確認する方法。例えば、携帯電話やメール、SNSなどの通信手段や、ホイッスルやサイレンなどの合図手段など。
連絡方法:自然災害が起きたときに、家族の状況や行動を伝える方法。例えば、携帯電話やメール、SNSなどの通信手段や、紙やペンなどでメモを残す手段など。
避難場所:自然災害が起きたときに、家族が集まる場所。例えば、自宅や近くの公共施設や学校など。
避難経路:自然災害が起きたときに、避難場所まで行く道順。例えば、徒歩や自転車などで移動できるルートや、危険な場所を避けるルートなど。

決めたことをメモに書いて、家族全員が見られるところに貼っておきましょう。
防災会議は定期的に開いて、決めたことを確認や更新しましょう。
これらの方法は、自然災害に遭ったときに、家族を守ります。日頃から意識して実践しておきましょう。

まとめ:自然災害に対する知識と備えを身につけよう

自然災害は予測が難しく、突然起こります。都合よく待っていてはくれません。自然災害に遭ったときに、家族の命や財産を守るには、事前に知識と備えをしておくことがとても重要です。防災への取り組みは、比較的後回しにされてしまうものですが、準備には時間もお金もかかります。考えることも様々ですので、すぐにでも始めることが重要です。すでに準備ができているという人も、新しい情報を収集し、改善していきましょう。まだできていない人も、今、できることから始めていきましょう。
以下は、防災関連のサイトです。

国土交通省 防災ポータル
災害が起きる前に(自宅編)
東京都総合防災部の公式ホームページ。東京都内の避難情報など災害に関する情報を発信するとともに、事前の備えや都の取組を紹介しています。
災害が起きる前にできること | 首相官邸ホームページ
ここでは災害に備え、ご家庭で取り組むべき主な対策をご紹介します。
ハザードマップポータルサイト
国土交通省が運営する、「ハザードマップポータルサイト」です。身の回りでどんな災害が起こりうるのか、調べることができます。


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